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もう、20数年前ハンググライダーをしていました。
ハンググライダーは講習生のA級から始まって、B、C級を経由してやっと一人立ちできるパイロット証を取得できます。私は数年かけてパイロット証の学科合格までは取れたのですが、技能が追いつかずC級どまりでした。
C級は山から飛ばしてもらえます。私的に一番難しいのはやっぱりテイクオフの時。
断崖絶壁に20mほど、高飛込の飛び込み台のような板が滑走路です。向かい風が気持ちよく入ってるときには、機体を構えて数歩踏み出せばもう飛べるのですが、風が弱いと、全力で飛び込み台を駆け降りて板を踏み外した途端に、ガクンと体が沈みます。眼前に斜面が迫ってくるのですが、ここで機種を上げるとすぐ失速して墜落してしまうため、斜面ぎりぎりを維持します。やや速度が出てもターンを切ればすぐに高度が落ちますので、まっすぐ飛んで速度が上がるに従ってゆっくりと機種を上げていきます。
ハンググライダーは風をねじ伏せる力を持たないため、常に風の音を聞き、機嫌をうかがいながら飛んでいました。
嫁をもらい子供が出来ると怖くて飛べなくなってしまいましたが、いまも坂道などで向かい風が気持ちよく入ってくると、「ちょうど今なんだけどなぁ」なんて思ってしまいます。
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