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事業承継を考える上で、抑えるべきは、ヒト、モノ、情報。「ヒト」とは経営者としての知識や経験、取引先や従業員との関係性などですが、経営者のカリスマ性はあまり取り上げられないように思います。おそらく、カリスマ性は承継するのが非常に難しいからでは無いかと思います。

急成長した会社は、組織体制や法的な問題の整備が遅れがちなのを、経営者のカリスマ性に頼っていることがあります。これを経営陣が理解していると、カリスマ性に力があるうちに体制整備を行って家族経営から大会社への脱却を図るのですが、周りを家族で固めてその外が見えないカリスマが出来の悪い長男を後継者に選んでしまいます。

カリスマ性というのは、原則直接会って話を聞かないと発揮できないものだと思います。顔も知らない末端社員に「私たちは家族だ」といっても伝わらないのは当たり前です。

末端の従業員がうちの会社は家族的だというのはいいことですが、大会社の経営者が社員は家族だというのは、体制整備の必要性に気がついていない可能性が高いのでは無いかと思います。

自叙伝や神話といった物語を作り、偶像化することによってカリスマ性を継続することは可能です。経営の神様を始めいろんな神様の手法をみればわかります。

カリスマ性の強い経営者の事業承継は、体制の整備は当たり前として、カリスマ性の神格化も並行して考えるべきなのかもしれません。くれぐれも、器で無い仲良しを社長に指名するのは危険です。

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