裏山で、中世城郭らしき曲輪や堀切、土塁を見つけて以来、しょっちゅう山へ入ったり図書館で郷土史を調べたり。そんなことに全く興味がなかった頃は聞かなかった話を、村の長老たちがいろいろと教えてくれます。
「山裾に古井戸があるが、何のために掘られたもんかはわからん。」と教えてもらったのが4月半ば。
覗き込んでみると5メートルほどの穴の底に二本の横穴。非常に興味を持ったのですが、ガスや酸欠の心配があり入ってはいけないのはわかります。
スマホに紐を二本繋げて井戸に下ろしてみると、横穴は結構深そうですが、光量が足りずよくわからない。懐中電灯を通販で買ってさらに撮影してみると、明らかに人工的な横穴。しかし、10メートル足らずのところで曲がっているのか行き止まりなのか、その先がわからない。
もうこれは、潜るしかない。
長老たちは梯子をかけて潜ろうと言いますが、ガスや酸欠、崩れる心配など素人だけで潜るにはあまりにもリスクが高い。とはいえ、公的機関に依頼すると、立ち入り禁止になっていつ調査してくれるかわからない状況になりそう。
こんなことを調査依頼できるのはあそこしかないな、ということで、応募しました。探偵!ナイトスクープ。
ホームページから応募すると、すぐ週末にはディレクターから電話があり翌週下見に来たいとのこと。ディレクターが一人で来られて井戸を案内。大した打ち合わせもなしにその週末に収録することになりました。収録当日は集落あげての騒ぎとなったのですが、僕はもう早く潜りたい一心でした。
さすがに埋蔵金は無かろうと思っていたのですが、本気で城の抜け穴じゃ無いかと思っていましたので、城跡までの300メートルほどは潜ることになるなと思っていました。朝からの撮影で穴に入る時には午後3時。多分スタッフ全員、最低3時間くらいで終われたらいいかなと覚悟していたと思います。穴に入る前に吉田さんから「もうダメだと思ったらすぐ引き返すので言ってください。暗く狭いところに長くいると精神が壊れますので」
ところが、潜入はほんの数分で終わりました。しかし、穴の先に行けたので非常に満足。ただし、古井戸をこのまま放置するのは、落下の心配もあり非常に危険なので、収録後すぐに長老会の人たちで立派な柵が設けられました。